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- 主任研究員 長村敏孝
- No.0314
ゴルフから見えてくる仕事観
2016年のオリンピックの追加競技の候補として、ゴルフとラグビー(7人制)が選出された。10月のIOC(国際オリンピック委員会)で承認されれば、正式に採用される。筆者にとって、ラグビーというと、早慶戦や早明戦、80年代に放映されたテレビドラマ「スクールウォーズ」を超える知識やイメージはなく、7人制というと、ますますもって分からない。そこで、ラグビーファンの方には申し訳ないが、今回はゴルフに関わる話をしたい。
筆者はゴルフを本格的に始めて7年になるが、練習場に通うようになった(週1回程度だが)のは、ここ2年くらいである。初めは、自分が気持ちのいいように、ただひたすらボールを打つだけだった。タバコも吸わず、休憩もせず、3ケース(270球)を1時間で打ってしまう筆者は、練習場の経営者にとっては、回転率のよい、きわめて優良な客だっただろう。しかし、ただ何も考えずに打つだけでは何も変わらないということを悟るまでには、それほど時間を要せず、本やビデオによる研究、およびそれらを練習場で実践することで、スイングをする上でいくつかのチェックポイントが見えてきた。
しかし、ほとんどの方が感じていることと思うが、無数にあるチェックポイントを満たしつつスイングをすることは、ほとんど不可能である。また、チェックポイントに気をとられるあまり、本来の、“ボールを真っ直ぐ飛ばす”(上級者であれば意図的にドローやフェードをかけることもあろうが)という目的を忘れそうになってしまうこともある。これは仕事にも同じことが言え、細かい部分にこだわりすぎると、本来の業務の目的から、ベクトルが徐々に別の方向にずれていってしまうおそれがある。ややもすると、昔、読売ジャイアンツに在籍した、台湾出身の呂明賜(ろ・めいし)という選手が、当時の打撃コーチに、「お前のスイングには36箇所の欠点がある。」と言われて打撃フォームを崩してしまった、というようなことになりかねない。
また、ホール1つ1つも、仕事に例えることができよう。例えば、池やバンカーに囲まれたショートホールは、正確さと迅速さが求められる業務に、300ヤードそこそこでも、グリーン手前にパックリとバンカーがあるようなミドルホールは、一見やさしそうに見えて、実は落とし穴のあるミッションに、また、距離は500ヤードを超えるが、フェアウェーが広く、さしたる障害物もないロングホールは、着実に前に進むことで成し遂げられるプロジェクトに似ている。
また、同一のホールであっても、そのときどきのシチュエーションによって、リスクをできるだけ回避しながら慎重に臨む場合と、行け行け(池池ではない)で攻めていく場合が出てくるが、攻略のし方は自ずと変わってこよう。ただ1つ確実に言えることは、最後のパット(ゴール)から逆算し、その一打前はあの辺りに落とす(そこまでミッションを進める)、その一打前はどこまで、第1打はあそこまで、という戦略を立てることが不可欠であるということだ。その、ちょっとした戦略を考える時間を惜しんで、やみくもに前進していったために、かえって打数を多く要してしまうことは、ほとんどの方が経験されていると思う。
しかし、ゴルフも仕事も人間が行うものであり、必ずしも理屈どおりには事は運ばないことは明らかである。結局、上達と成功の秘訣は、“好きになること”と“情熱を注ぐこと”であり、少々悪い状態が続いても、気持ちを切らさずに辛抱強く事を進めることに尽きるだろう。
投稿者:主任研究員 長村敏孝|投稿日:2009年08月17日|コメントを書き込む
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