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- 主任研究員 塩野敏晴
- No.0228
政令指定都市・浜松市への期待
平成19年4月1日、浜松市が、新潟市とともに政令指定都市に移行した。これで、政令指定都市は全国で17都市となり、静岡県では、静岡市に次いで2つ目の政令指定都市の誕生である。当所では、SERIまんすりー4月号の特集で、「県内2つ目の政令指定都市浜松市の方向性」と題して取り上げたが、その中で、他都市の事例として北九州市の都市政策を紹介した。事例の対象として北九州市を選んだのは、「合併により成立した政令指定都市であること」「製造業を基盤として発展してきたこと」「県庁所在都市ではなく、なおかつ県庁都市とは、それぞれが独立した都市圏を形成している」など、浜松市と共通点が多いことによる。
北九州市は、昭和38年に、小倉、門司、若松、八幡、戸畑の5市対等合併により誕生、程なく政令指定都市に移行し、「多核都市」として均衡ある発展を目指した。その一つの成果が交通網の整備であり、北九州市では、合併、政令指定都市移行後に道路整備が格段に進み、地価高騰や交通渋滞等を防ぐ上でプラスになったという。
一方で、旧5市をそのまま5区とした結果、旧市意識が温存されて一体感に欠け、また、地域バランスに配慮した都市づくりの結果、百万都市の「顔」としての都心形成がなされなかった、という弊害もあったようだ。
浜松市の場合は、北九州の「多核」よりなお粒の多い「クラスター型(=ぶどうの房)」都市を目指している。さらに、北九州市にはない、広大な中山間過疎地も抱える。均衡ある発展を目指す上では、難しい舵取りを強いられることにもなろう。
しかし、広大な市域と、その中にある森林や水源などの環境資源は、政令指定都市の中では出色である。製造業や農林業など、環境資源を活かす産業の集積もあり、産業構造は、“全国の縮図”といえるほどバランスが取れている。そこで、浜松市には、「環境と共生するクラスター型政令指定都市」として、既存の政令指定都市には類例のない新しい都市像を目指して欲しい。
過疎地で先行する「少子・高齢化」は、わが国全体の将来の課題でもあり、環境問題もまた然りである。浜松市の目指す方向性が、わが国全体の目指すべき方向性の道標になるといっても過言ではないように思う。
投稿者:主任研究員 塩野敏晴|投稿日:2007年04月26日|
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