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  • 主席研究員 塩野敏晴
  • No.77

"平均的"な静岡県は、「日本代表」?

静岡県は、「平均的である」とよくいわれる。当所の消費特性に関する調査でも、静岡県は多くの費目で平均的な傾向を示している。また、「静岡県のイメージ」に関する調査では、県外出身者が「平均的」というイメージから思い描く都道府県のトップとしてあげられた。
通常、「平均的」であることは、調査・研究記事の執筆では、あえて触れないことが多い。特徴がないことは、"没個性"というネガティブイメージにつながりやすく、分析結果としても面白味に欠ける。しかし、平均的になる必然性が揃っていれば、それは立派な個性であり、静岡県はまさにそうした条件を併せ持つ、全国的にも特異な存在といえる。静岡県が、平均的な特徴を示す要因には次のようなものがある。
(1)東西の中間日本は、文化や価値観、食の嗜好など、東西日本で異なる志向性を持つが、静岡県は中間に位置し、東海道という国土軸上にあって、常に双方との交流により東西どちらの価値観とも融合可能なニュートラルな県民性が育まれた。
(2)南北の中間北東から南西に伸びる日本列島では、東西の中間とは南北の中間でもある。静岡県の気候は平均以上に温暖であると思われるが、家計消費にも影響する豪雪、台風、猛暑等の気象条件に対しては、比較的ニュートラルな立地である。
(3)上下の中間静岡県は"3%10位の経済圏"といわれ、人口やGDPなど多くの指標が全国シェア3%、都道府県別10位である。しかし、静岡県より上位9都道府県の人口シェアを合計するとほぼ5割となり、規模別10位とは、実は全体の中間付近に位置している。
(4)都会と田舎の中間家計消費に影響を及ぼす要因として都市規模がある。たとえば大都市では、家賃や教育関連の支出が大きく、小都市・町村では自動車関連の支出が大きくなる。静岡県は、大都市-小都市・町村の配分が全国に近く、消費支出も全国平均に近い費目が多い。
このように、これだけ「平均的・中間的」な条件が揃う都道府県は他になく、静岡県は「日本の標準」、極言すれば、「日本代表」であると胸を張っても良いのではないだろうか。静岡県は、テストマーケティングの対象地として選ばれることが多いのもうなずける。
「平均的」とは、「ニュートラル」、すなわち県外から来た人にも違和感を持たれにくいともいえ、温暖な気象条件とあいまって、万人にとって居心地良く、暮らしやすい風土といえる。静岡県が「平均的」であることに由来する「居心地の良さ」「暮らしやすさ」が魅力となり、定住人口の増加につながることに期待したい。

投稿者:主席研究員 塩野敏晴|投稿日:2017年06月30日|

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