羅針盤

ホーム > 羅針盤 > 主席研究員 塩野敏晴 > 静岡マラソンの開催効果

  • 主席研究員 塩野敏晴
  • No.

静岡マラソンの開催効果

3月4日、「静岡マラソン2018」が開催された。2014 年に初のフルマラソンとして開催されて以来、今回が5回目となる。
当所では、毎回、会場で来訪者(参加者、来場者)にアンケートをとり、静岡マラソン開催による経済波及効果を試算している。こうして、同じ調査を毎年「定点観測」のように続けていると見えてくる特徴がある。
まず、参加者数、来場者数、主催者側の運営支出など、大会規模自体は年による大きな変動がないにも関わらず、経済波及効果の総額は、第1回から第4回まで少しずつ増加を続けている。これは、第1回から第3回にかけて、県外からの来場者比率が上昇し続けたことが大きい。静岡マラソンの全国的な認知度が広がるとともに、遠方からの来場者が増えたとみられる。旅行客の消費単価は遠来客ほど大きくなる傾向があり、これが来訪者全体の消費支出額を押し上げたようだ。第4回で初めて県外客の比率が減少に転じたが、この時は、マラソンコースが市内のより広域を巡るルートに変更されたうえ、4回目にして初めて好天に恵まれ、来場者総数が前年比で1割弱増加したことで、全体の経済波及効果もプラスを維持した。
一方、市内客、県外客など住所別の消費単価をみると、年ごとのばらつきはあるものの、総じて第1回が最も高く、以降は減少していく傾向がある。これは、大道芸ワールドカップなどでも同様で、当所が開催初期に行ったアンケート調査では、会場が静岡市の中心市街地だったこともあり、買物ついでに見に来る人が多かったが、イベントとしての人気の定着とともに、興味の対象のウエートが大道芸見物に移り、10数年後に行った調査では消費単価は減少していた。認知度の高まりとともに集客力はより広域化する一方、興味すなわち消費の対象は集約化する、というのがイベントとしての成長とともにみられる特徴である。
さて、静岡マラソンの経済波及効果をより大きくするためには、認知度の向上による集客力の広域化がある程度浸透したとすれば、消費単価を高めていく必要がある。フルマラソンを走り切り、消耗しきった参加者とそれを労う来場者に、何をアピールするかがカギとなろう。
しかし、経済波及効果がすべてではない。駿府城にはじまり、浅間神社、安倍川、駿河湾、久能山、石垣いちごなどを巡り、富士山に迎えられる静岡マラソンは、静岡市のシティプロモーション効果としても大きい。さらに第1回以来、公募後の市民参加枠の定員到達期間が短期化しているとも言われ、大会開催により市民のマラソン、ランニング等に対する意識が高まり、健康増進に寄与することができれば、何よりの開催効果といえよう。

投稿者:主席研究員 塩野敏晴|投稿日:2018年04月27日|

ページの先頭へ

入会お申し込み・資料請求について 入会および維持会員への切り換えなどに関するご照会・お問い合せは、総務部会員担当までご連絡ください。
また、入会資料の送付をご希望される方は、入会お申し込み・資料請求フォームよりお申し込みください。電話番号 054-250-8750 E-mail info@po.seri.or.jp 受付時間 9:00から17:00 祝日 土・日・祝除く入会お申し込み資料請求フォーム

  • 維持会員専用サイト

カテゴリー

最近の投稿

月別

  • サービス案内
  • 財団法人 静岡経済研究所 書籍のご案内
  • 静岡経済がわかるリンク集
  • 静岡県内事業者一覧
  • 研究社員紹介
  • マーケットプラザ