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- 主任研究員 川島康明
- No.0298
住宅新築時の“万が一”にどこまで備える?「住宅完成保証」は必要か
去る1月30日、浜松市に本社を置く木造注文住宅メーカー、富士ハウスが自己破産した。年間売上高400億円規模の同社が抱える施工中の住宅は700戸超、手付金を受けて未着工のケースが1,400にのぼるという。
この破綻によって、住宅の「完成保証」という制度がマスコミで取り上げられている。これは、建設中に建設会社の倒産などで工事ができなくなった場合、一定の範囲内で支払った費用が保証されるというもので、(財)住宅保証機構という公益機関のほか、民間会社が保証するケースもある。
たとえば、(財)住宅保証機構の制度では、工事ができなくなった場合、A.足場の組替えなど手戻り工事費など、当初の工事請負金額以上にかかる費用を請負金額の20%まで保証、B.それに加え、支払済みの前払金のうち請負業者が返還すべき分を返してもらえない場合、その損害を請負金額の20%を限度として保証するという2つのタイプがある。いずれも、希望があれば、建築工事を引き継ぐ業者の斡旋も行う。
実際に、施主がどのくらい保証料を負担するかというと、請負契約金額が2,000万円の物件で、Aの保証内容で45,000円程度、Bなら5万円くらいになる(3,000万円の物件で7~8万円)。会社によっては費目を立てずに請負金額に含めたり、施主が別途支払うケースがあるという。
ただし、前提として、その建設会社がこの制度に登録する必要がある。(財)住宅保証機構のホームページで登録業者を検索できるが、静岡県内では20数社にとどまっているようだ。契約締結から住宅が完成するまでの期間は、通常、半年から1年程度。知り合いの工務店に尋ねてみても、完成保証まで気にする施主はほとんどおらず、照会があったのは数十年の業歴の中でも2件ほどという。そもそも、施主の立場から考えれば、発注先の経営が危ないと感じれば契約しないだろうし、一抹の不安はあっても、出費がかさむ住宅新築時に掛け捨て保証料を負担するのはつらい。建設会社から見れば、へたに完成保証を薦めれば、保証が必要なほど経営が危ないのかと勘繰られることにもなりかねない。そうした双方の事情もあって、この制度はそれほど普及していないというのが実状だろう。
だが、景気が急激に冷え込む中、住宅業界では、会社の規模が問わず経営破綻するケースが増えてくる可能性がある。住宅新築を考えている人々が住宅業界や建設会社を“診る”目は一段と厳しくなるだろうし、完成保証を求める声も大きくなるかもしれない。
「お宅の会社はつぶれないだろうね」・・・ハウスメーカーや工務店では、顧客からのそんな質問に対し、数字の裏付けをもって、わかりやすく自社の状況を説明できるよう、あらかじめ対応を考えておく必要がありそうだ。
投稿者:主任研究員 川島康明|投稿日:2009年02月06日|コメントを書き込む
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