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  • 主任研究員 冨田洋一
  • No.0245

「伊豆の七不思議」で観光振興

 最近、仕事で伊豆地域のことを調べていたら、おもしろい情報を見つけた。地元では、ご存知の方も多いのだろうが、伊豆半島には7つの不思議な物語が存在していて、それを「伊豆の七不思議」と呼んでいるらしい。

 その不思議な話とは、大瀬明神の神池(沼津市)、堂ヶ島のゆるぎ橋(西伊豆町)、石廊崎権現の帆柱(南伊豆町)、手石の阿弥陀三尊(南伊豆町)、河津の酒精進鳥精進(河津町)、修善寺の独鈷の湯(伊豆市)、函南のこだま石(函南町)の7つ(それぞれの不思議な話の詳細は、沼津市のホームページ※などでご確認下さい)。どの話も、物語の信憑性を議論すれば、民話や言い伝えとして片付けられてしまいそうだが、観光振興を進める上で大切な要素の1つといわれる「物語」の素材として読み直してみると、新しい地域の観光資源になりそうな素材が随所に散りばめられたストーリーだと感じるのは私だけであろうか。

 たとえば、7つの物語を解説するガイドの方がいれば、話の舞台を回るだけでも立派な旅行商品になりそうだし、話を掘り下げて現代風にアレンジすれば、イベントも開催できるし、新しい特産品づくりにつながる可能性も秘めている。すでに、独鈷(とっこ)の湯では、“弘法大師が独鈷杵(とっこしょ)という仏具で川の岩を打ち砕いて霊泉を湧出させた話”の前段部分である“親孝行な息子の話”をベースにしたと思われる企画を、現在開催中の「修善寺温泉開湯1200年祭」で展開しており、両親の年齢合計が100歳以上の親子4人が1つの部屋に泊まると両親の宿泊代金が半額になる“親孝行キャンペーン”を行って話題になっている(詳しくは、http://shuzenji1200.com/top.html)。また、酒精進鳥精進の話では、現在も舞台となった地域で酒や鳥を大事にしていて、毎年12月の5日間だけは、酒と鶏肉と卵を食べない風習が残っているそうである。それならば、鶏肉や卵のもどき料理(もしくは精進料理)が立派な名物料理に変身するであろうし、断酒の取組みも健康企画の商品として売り出すことができるはずである。

 ちなみに、静岡県の観光情報を網羅した「ぐるる静岡 ものしり事典」では、“伊豆の七不思議”という言葉は何回か出てくるが、私が読んだ限りでは、“こだま石”は紹介されていないようだし、“神池”は名前が紹介されているだけであった。“堂ヶ島のゆるぎ橋”や“石廊崎権現の帆柱”、“手石の阿弥陀三尊”については、話が紹介されているものの、観光客を対象にしたイベントなどは行われていないようである。
 「伊豆の七不思議」を観光資源として活用できるのは地元に限られるが、絶対的な観光資源として信じてきた「温泉」だけでは観光客が確保できなくなっていることも事実である。地域の魅力発信が叫ばれる中、埋もれていた民話や言い伝えに賭けて、地元が一丸となって観光振興に取り組んでみても良いのではないだろうか。

参考リンク
※沼津市ホームページ(www.city.numazu.shizuoka.jp/kankou/rekishini/bunkazai/7fusigi/7fushigi.htm)

投稿者:主任研究員 冨田洋一|投稿日:2007年11月01日|

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