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  • 主任研究員 冨田洋一
  • No.0232

静岡県内の3つ星観光施設は?

 フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」が作るガイドブックは、実際に覆面調査して結果を星で表示することで有名である。今年3月には、アジア初のレストランガイドブックとして、東京版が発売されたばかりである。
 そのミシュランが、昨年7月から日本各地の観光地で調査を行い、日本の観光ガイドブックを作成、4月からフランス国内で販売を開始した。フランス語で書かれた「Voyager Pratique Japon」は、フランス人向けに書かれたガイドブックではあるが、世界的に評価の高いガイドブックが日本の観光地をどのように評価したのか気になるところである。

 現物を取り寄せてみたところ、3つ星は「必ずみるべき」、2つ星は「とても面白い」、1つ星は「面白い」という基準で整理されていて、変形A5版488ページの中で、3つ星をもらった観光施設は全国に51カ所しかなかった。フランス人からみた日本ということで、日本固有の歴史的・文化的な観光施設や観光スポットが数多く選ばれていて、3つ星をもらった半数以上は神社仏閣(仏像、庭園)が占めていた。
 また、静岡県に関する記述は6ページに渡っていて、修善寺地区と下田地区、そして富士山が取り上げられていた。残念ながら3つ星をもらった観光施設はなかったものの、2つ星が8カ所、1つ星が3カ所(詳細は下表参照)、それ以外に宿泊施設と飲食店が10カ所ずつ紹介されていた。

 「Voyager Pratique Japon」で取り上げられた静岡県内で星をもらった観光施設
 ★2…竹林の小径、修禅寺、指月殿(以上、修善寺地区)、下田開国博物館、
    了仙寺、下田港と和歌の浦、玉泉寺(以上、下田地区)、富士登山
 ★1…宝福寺、長楽寺、寝姿山(以上、下田地区)

 日本人からみると、“他の観光施設の方がフランス人に喜んでもらえる”と思える施設が数多く存在する。しかし、この本が出版されるに際して、事前に県内観光地の情報を提供したある人物によると、取り上げられた地域以外の観光施設の情報も数多く関係者に提供したそうである。つまり、フランス人に絶大な信頼を得ているガイドブックは、厳選した上で、修善寺と下田、富士山を紹介していて、フランス人の感覚で日本の観光地(観光施設)をみると、静岡県内でみるべきところは3カ所しかなく、他の部分は、別の観光地の方が楽しめると判断したことになる。
 バブル崩壊以降、観光客の減少に悩んでいる静岡県内の観光地だが、フランスのガイドブックが示した結果を、「センスや価値観が違う」として片付けてしまうのか、他地域と比較すると観るべきものが少ないことを指摘した「貴重な提言」として捉えられるかで、これからの県内観光地の集客数は大きく変わるのではないだろうか。

投稿者:主任研究員 冨田洋一|投稿日:2007年05月28日|

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