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  • 主任研究員 冨田洋一
  • No.0222

官民上げて地域活性化に取組む焼津市

 焼津市は、全国屈指の遠洋漁業の基地として知られているが、燃料費の高止まりに加え、マグロの国際的な漁獲量規制が決定したことで、これからの水産業は、さらに苦しめられることになりそうである。また、買物客で賑わっていた中心商店街も、郊外立地の大型店の台頭で人通りが減少するなど、街としても厳しい状況に置かれているが、昨年あたりから、焼津市では、地域活性化へ向けた新しい動きが増えており、各方面から注目を集めている。

 たとえば、昨年1月から始まった「まちの駅」は、人と人の出会いと交流を促進するヒューマンステーションとして、焼津市内の小売店や飲食店など46カ所に設けられた情報交流拠点である。「まちの駅」を訪れる観光客はまだ少ないが、のぼり旗がきっかけとなって買物客と店のスタッフの会話が広がるなど、徐々に街に賑わいが戻り始めている。
 次に注目されるのは、昨年7月にオープンした「アクアスやいづ」である。焼津市が整備し、指定管理者である民間企業(株式会社マリンタウンやいづ)が運営している健康増進施設で、全国でも数少ない海洋深層水を使った“タラソセラピー(海洋療法)”が体験できることから、県外からも注目集めている。会員制をとっているが、ビジター客でも8,400円からタラソテラピーを体験できるということで、女性からの評判が良い。
 このほかにも、昨年12月に焼津商工会議所がまとめた「焼津市地域再生ビジョン」は、地元の経済団体が考えた、焼津の新しい姿を予感させる計画として全国的に注目されている。なかでも、付録として収録された「地域再生計画」は、商工会議所が独自に計画案をまとめ、焼津市へ計画の提出検討を要請したという、全国的にも数例しかない画期的な取組みであった。
 上記以外にも、昨年11月には焼津鰹節水産加工業協同組合が「焼津鰹節」という地域団体商標(地域ブランド)を取得したり、今年4月には「アクアスやいづ」に隣接する場所で、地場産品の販売と食事を提供する施設もオープンするなど、次から次へと地域活性化に向けた布石が打たれている。

 これだけ多彩な取り組みを進めている焼津市でも、ようやく地域活性化の萌芽が見えてきた状態である。この動きを本物にしていくためにも、地域活性化のために立ち上がった人たちを支えて盛り立てていくことで、活動を地域全体へ波及させ、活力が溢れる焼津の街を復活することに期待したい。

投稿者:主任研究員 冨田洋一|投稿日:2007年02月09日|

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