ウィークリーコラム

ホーム > ウィークリーコラム > 主任研究員 冨田洋一 > 高い集客力を誇る複合商業施設

  • 主任研究員 冨田洋一
  • No.0179

高い集客力を誇る複合商業施設

 静岡県には、毎年1億3,000万人前後の観光交流客(宿泊客+観光レクリエーション客)が訪れており、11月末に発表された資料によると、平成16年度は「浜名湖花博」が545万人を集めたことから観光交流客数は1億3,528万人と前年実績を+1.8%上回った。しかし、浜名湖花博への来場者は、静岡県民を中心とした日帰り客が多かったため、宿泊客数は1,928万人と前年比で△1.9%減少した(図表)。

 ここ数年、静岡県では、伊豆新世紀創造祭(平成13年)、サッカーW杯(平成14年)、わかふじ国体(平成15年)、浜名湖花博(平成16年)と、大型イベントを立て続けに開催して観光交流客数を下支えしてきたが、こうしたイベントによるプラスアルファ分を考慮すると、観光交流客数は漸減傾向が続いている。しかも、平成17年度は、新規の大型イベントがないため、観光交流客数は平成16年度を下回る公算が高くなっている。

          図表 静岡県の観光交流客数の推移      (単位:万人)
           平成12年度   13年度   14年度   15年度   16年度
宿泊客数         1,984     2,037    1,966     1,964     1,928
観光レクリエーション客数  10,254   11,370   10,947   11,324   11,600
観光交流客数      12,238   13,407   12,913   13,288   13,528
資料:静岡県生活・文化部「静岡県観光交流の動向」

 一方、別の資料で全国の動きをみると、最近は、複合商業施設の集客力が目立っている。平成16年度に最も人を集めた「六本木ヒルズ(東京都港区)」は、たった1つのビルに伊豆地区の観光交流客数(4,118万人)を280万人上回る4,400万人を集客している。このほかにも首都圏には、「TOKYO-BAY ららぽーと(千葉県船橋市、2,200万人)」、「ViNA WALK(神奈川県海老名市、2,200万人)」、「丸ビル(東京都千代田区、1,900万人)」など、1,000万人以上集客する複合商業施設が8つもあることから、静岡県の観光交流客数の減少の遠因の1つに、首都圏の複合商業施設の台頭を挙げてよいだろう。

 立地環境に加えて、施設の特性や集客目的が異なるものを比較しても意味がないという指摘もあるだろうが、両者は、首都圏の消費者を主要顧客にしている競合相手である。首都圏で“お金と時間”が消費されれば、観光地である静岡県を訪れる可能性は相対的に低下する。県内の観光地は、首都圏の消費者はどんなものに興味・関心を持っているのか、複合商業施設の魅力から、そのヒントを探ってみることも有効ではないだろうか。

投稿者:主任研究員 冨田洋一|投稿日:2005年12月06日|

ページの先頭へ

入会お申し込み・資料請求について 入会および維持会員への切り換えなどに関するご照会・お問い合せは、総務部会員担当までご連絡ください。
また、入会資料の送付をご希望される方は、入会お申し込み・資料請求フォームよりお申し込みください。電話番号 054-250-8750 E-mail info@po.seri.or.jp 受付時間 9:00から17:00 祝日 土・日・祝除く入会お申し込み資料請求フォーム

  • 維持会員専用サイト

カテゴリー

最近の投稿

月別

  • サービス案内
  • 財団法人 静岡経済研究所 書籍のご案内
  • 静岡経済がわかるリンク集
  • 静岡県内事業者一覧
  • 研究社員紹介
  • マーケットプラザ