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  • 企画調査部長 望月毅
  • No.104

コロナ禍で 過去最低と 最高と

コロナ禍に揺れた2020 年。各種統計をみると、「過去最低」や「史上最高」など、従来の記録を更新するケースがとても多かった。

たとえば、昨年の『交通事故による死亡者数』は全国で2,839人と、前年から▲376人減少して4年連続で過去最少を更新した。自動ブレーキなど安全機能充実のための技術開発が進む中、長期的に死亡事故は減少傾向にあったが、20年はレジャーなどの遠出が減ったことが大きな理由であろう。一方、都道府県別では東京都が前年より+22人増え53年ぶりに全国で最多となった。外出自粛の影響で交通量が少なくなった都市部で、速度を上げる自動車が増えたためとみられる。静岡県も+7人増加しており、これも、渋滞がなくなった幹線道路で飛ばす車が多かったのか。

また、大きく変化した事象としては、『インフルエンザ』の発生が著しく減少している。12 月21 日からの1週間で全国の報告患者数は前年が11 万5,002 件だったのに対し、20年はわずか69 件に過ぎなかった。日本中の人がマスク・手洗い・3密回避などコロナ感染防止対策を徹底したことに加え、世界中で入国が制限され、国外からのウイルス感染経路が遮断されたことが原因とみられる。

コロナ禍は、日本人の食生活にも影響を及ぼしている。ステイホームが提唱され、自宅での食事機会が増加する中、手軽に調理でき、保存もきいて家庭内で備蓄できる『スパゲティ』は、国内ブランドの販売が絶好調だったが、輸入量も過去最高を更新した。横浜税関によると、20年11月末までに全国の輸入量は15万4,505トン(速報値)に上り、これまでの最高だった17年の年間輸入量を1カ月残して1割上回った。

コロナ対策関連支出の増大で、『国の予算』も膨らんでいる。12 月21 日に閣議決定された21 年度予算案は、一般会計の総額が過去最大の106 兆6,097 億円に達し、20 年度の当初予算を約4兆円上回った。予算案が100兆円を上回るのはこれで3年連続。なお、20年度は、これまで3次の補正予算が組まれ、総額では180 兆円を超える見通しである。

家計の『金融資産額』も過去最高額となっている。資金循環統計(日本銀行)によれば、20 年9月末で家計が保有する金融資産額は前年比+49兆円(+2.7%)増の1,901兆円と初めて1,900兆円台に乗った。コロナの影響から消費抑制が続き、もしもに備えて手元の流動資金を厚めに用意する家庭も増加しているためとみられ、『現預金』が前年比+49兆円(+ 4.9%)増の1,034 兆円と、急速に積み上がった。

生活面では、『ドメスティックバイオレンス(DV)』の相談件数が20 年11 月まで13万2,355件に上り、過去最多となった。調査を行った内閣府では、「新型コロナウイルス感染症に伴う生活不安・ストレスなどから、DVの増加・深刻化が懸念されている」と状況を説明する。

このように、わずか1年で統計数値に大きく表れるほどに人々の生活や心の持ち方を変えてしまったコロナ。一刻も早い克服が希求される。

投稿者:企画調査部長 望月毅|投稿日:2021年06月30日|

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