羅針盤

ホーム > 羅針盤 > 専務理事 大石人士

専務理事 大石人士 のコラム

  • 専務理事 大石人士
  • No.96

自然災害リスクへの認識と対策の見直し必要

本稿を書き始めた9月26日は、60年前の1959 年に伊勢湾台風、その前の1958 年に狩野川台風、1954 年に洞爺丸台風と、各地で大きな被害が発生している。当所が毎年発刊している干支情報で昨年末、「亥年は、大規模な自然災害に見舞われる傾向があり注意が必要な年」と書いたが、当たって欲しくない予想であった。しかし、昨年の西日本豪雨や今回の相次ぐ台風による被害の大規模化から見ると、60 年周期のようなものがあるように感じる。
企業を取り巻くリスクには、こうした自然災害によるものだけでなく、オイル・ショックやリーマン・ショックのような海外の政治・経済情勢によるもの、デジタル社会を反映したシステム上の障害や犯罪によるもの、さらには社内における事故やコンプライアンスの問題など、リスク発生の要素は多様化し、かつ、発生した場合の影響は、より大きくなる傾向にある。企業を取り巻くリスクに対しては、認識と対策の見直しが絶えず求められている。
企業に策定が求められている事業継続計画(以下、BCP)の策定においては、さまざまなリスクを「発生する頻度」の大小、「経営への影響」の大小によりマトリクス化して対応準備を進めるが、各リスクのポジションは社会や時代の変化とともに変わり、時には緊急に取り組むべきリスク要因もある。
とりわけ、気候変動の影響とされる、近年の大規模な豪雨や台風の襲来頻度が高まっている状況では、防災・減災対策、BCP対応などにおいて、ワンランク上の取組みが不可避である。そして、この大規模化傾向は今後も強まる可能性があることから、それを前提に、少しでも想定外を想定内に取り込み、被災規模を抑える努力が求められている。
阪神・淡路、東日本などの大震災により我々は大きな教訓を得て、いま対応が進められているが、"激甚"と表現される被害が多発している豪雨や台風による影響は、単に想定外という言葉で片付けられるものではなくなっている。製造業の現場では、自社が被災していなくてもサプライチェーンの寸断により操業が停止し、輸送路の崩壊でモノや人の移動が寸断され、小売業の店頭からは商品が消え、観光地が閑散とする。まさに、大震災で見た光景が再現されている。
自然災害の多くは広域で発生するため、近隣の企業や自治体も被災しており、速やかな協力や支援は期待し難い。多発化・大規模化する自然災害に対しては、広域での防災・減災体制の構築、加えて地域内での連携づくりと併せた遠隔地との連携の確保も必須となろう。真の国土強靭化に向け、官民の取組みが必要な時である。

このたびの台風15号と19号によって被害を受けられた皆様に、謹んでお見舞いを申し上げます。

投稿者:専務理事 大石人士|投稿日:2019年11月25日|

ページの先頭へ

入会お申し込み・資料請求について 入会および維持会員への切り換えなどに関するご照会・お問い合せは、総務部会員担当までご連絡ください。
また、入会資料の送付をご希望される方は、入会お申し込み・資料請求フォームよりお申し込みください。電話番号 054-250-8750 E-mail info@po.seri.or.jp 受付時間 9:00から17:00 祝日 土・日・祝除く入会お申し込み資料請求フォーム

  • 維持会員専用サイト

カテゴリー

最近の投稿

月別

  • サービス案内
  • 財団法人 静岡経済研究所 書籍のご案内
  • 静岡経済がわかるリンク集
  • 静岡県内事業者一覧
  • 研究社員紹介
  • マーケットプラザ