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LABORATORY INFORMATION研究所のご案内

理事長挨拶

理事長  馬瀬 和人

新年のご挨拶 60th

 
 

皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は静岡経済研究所の活動に対し、格別のご支援とご高配をたまわり、心より御礼申し上げます。

昨年を概観しますと、約3年間続いたコロナ禍での様々な制約が解除され、インバウンドを含めた人流や部品供給に係るサプライチェーンも、ようやく正常化への礎を築く一年となりました。しかしながら、物価高による消費マインドの低下や原材料価格の高騰、人手不足も相まって高まる賃金上昇圧力により、企業を取り巻く収益環境は依然として厳しく、景況感も本格回復にまでは至らなかったというのが実態ではないでしょうか。

 
 

静岡県においても、クルーズ船の寄港や富士山静岡空港での国際便が再開され、久しぶりにインバウンド客を目にする機会も多くなりました。また、年間を通して「東アジア文化都市」の“日本の首都”としての活動が展開されたほか、NHK大河ドラマ「どうする家康」の舞台としても注目を浴びるなど、静岡県の魅力を国内外に大いに発信できたことと思います。ただし、全国同様に物価高、人手不足が足かせとなり、当研究所が実施した様々な調査結果からも、景気は“緩やかな持ち直し”という水準での推移を余儀なくされたように見受けられます。

 
 

さて、今年の景気の行方を占ってみますと、何といっても、“失われた30年”とも称されるデフレ経済に真の意味で終止符を打ち、「賃金と物価の好循環」を築いていけるかどうかが、大きなカギを握ることになるでしょう。奇しくも、物流業や建設業における「2024年問題」が顕在化し、多くの企業がその影響により様々な改革を求められる年ともなります。世界における日本経済の位置づけが低下しつつある中、コロナ禍からの景気回復軌道を確固たるものにし、復権につなげていくためには、企業においてもDXやGXの推進により、抜本的にビジネスモデルを作り直すくらいのダイナミズムが求められているのではないでしょうか。かつて戦後の荒廃から立ち直った実績を持つ日本が、今一度、ダイナミズムを呼び覚ます一年になってほしいと思います。


当研究所も昨年3月に、還暦にあたる創立60周年を迎え、気持ちも新たに「地域の未来づくりを支えるシンクタンク~専門性を磨き上げ、持続可能な地域経済の発展に寄与する~」をビジョンに掲げた中期経営計画をスタートさせました。今後とも、皆様の事業活動の一助となるべく調査研究に努めてまいりますので、益々のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

今年は「甲(きのえ)辰(たつ)」の辰年です。「甲」は「芽に被る鎧のように硬い殻」を指し、「辰」は「竜」に通じ、「春を迎えて芽が殻を破り伸びていく様」を表します。こうした文字の持つ意味から、2024年は古い体制や慣習といった殻を破り、昇竜のごとく力強い成長が実現されることを祈念しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

一般財団法人 静岡経済研究所
理事長  馬瀬 和人