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  • 企画調査担当部長 塩野敏晴
  • No.102

浜松は「暑い」より「熱い」が似合う

総務省の「家計調査」では、主な食品について、世帯当たり年間支出額の都道府県庁所在都市および政令指定都市別ランキングを公表している。当所が一昨年度に行った調査(2017年直近の3年間平均)では、静岡市は「まぐろ」「緑茶」など7品目で1位、一方、浜松市は「うなぎのかば焼き」「ぎょうざ」が日本一と、2品目のみながら、「浜名湖うなぎ」「浜松餃子」の地域名を冠する特産品が存在感を示していた。ところが最新のデータ(2019 年直近の3年間平均)をみると、いずれもトップから陥落し、浜松市は日本一の品目を失ってしまった。

「うなぎのかば焼き」については、浜松市は、政令指定都市として家計調査に初登場した2008年から2018年まで11年連続トップ、一度も首位を譲らなかったのが、2019 年はなんと16位。大暴落であるが、これには、ウナギ産地としての"矜きょう持じ "も感じられる。「うなぎのかば焼き」支出額上位各市の中で養殖ウナギの産地は浜松市だけである。2019 年はウナギの稚魚「シラスウナギ」の漁獲量は過去最低水準まで落ち込んだが、資源の枯渇とそれに伴う価格の高騰に対して、浜松市では、多くの市民が資源保護を慮おもんぱかり、安価な輸入品に走ることもよしとせず、消費そのものを自粛したのではなかろうか。地元の漁協では、水揚げされた天然ウナギを買い取って放流するという事業も行っているのである。

一方の「ぎょうざ」では、浜松市は、毎年、宇都宮市とのデッドヒートを展開しているが、駅前に「餃子像」まで作った宇都宮市ほどの熱意は感じられない。以前に、浜松市内の餃子製造機械のトップメーカーを取材した時に、社長は「餃子がうまければそれでよい」といった感じで、日本一はさほど意識していないように見えた。家計調査の両市の支出額の動向をみても、宇都宮市は浜松市に抜かれたり肉薄される度に、次にはV字回復する傾向があるが、浜松市は安定的に推移している。

この浜松市に、今夏「最高気温日本一」(埼玉県熊谷市とタイ)という称号が加わった。これまでも、山間地の佐久間や天竜では、国内最高気温として名前が上がることはあったが、今回観測されたのは中区、すなわち都心部である。浜松市ではさっそく「浜松は日本一暑く、人も熱い」という横断幕を掲出し、熱い人々が活躍する街としての取組みを進めるとしている。しかし、地球温暖化が話題となるこの数年で、国内最高気温は、岐阜県多治見市、高知県四万十市、埼玉県熊谷市と、更新が相次いでいる。いずれも内陸部で夏の高温期には毎年のように名前が上がる都市である。天竜川、浜名湖、遠州灘など、豊富な水資源に囲まれた浜松市が、今後も最高気温のトップ争いを展開していくかは不明である。

そこで、日本一なら、ここは特産品の首位奪還に期待したい。「うなぎのかば焼き」については、今年はシラスウナギの豊漁も伝えれており、消費回復も期待できよう。一方、安定推移の餃子については、市を挙げた
"熱い"キャンペーンなども必要なのではないか。浜松にはやはり、「暑い」よりも「熱い」
が似合うと思う。

投稿者:企画調査担当部長 塩野敏晴|投稿日:2021年06月30日|

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